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Channel: 趣味の写真帳
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ハイティンクに教わったこと

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 先日、NHKのBSプレミアムシアターで放映していたB.ハイティンクのザルツブルグ音楽祭での引退公演を録画して、じっくりと聴いてみました。
 オーケストラはウィーンフィル、曲目はアックスをソリストに迎えてのベートーヴェンのピアノコンチェルト第4番とブルックナーの交響曲第7番、昨年の大晦日に放映された「2019音楽ハイライト」でもこの時の7番の演奏がチラッと紹介され、何れBSで全曲を放映するということで楽しみにしていた公演でした。

 演奏会に先立ってハイティンクのインタビュー番組も放映され、これも大変興味深い内容で、彼の人間性、謙虚さにも心打たれるものが有りました。

 第7交響曲は期待に違わぬ良い演奏でした。
 杖をつきながらステージに登場し、椅子に座って(と言うか、寄りかかって)指揮する姿は流石にお歳を隠せませんが、指揮ぶりはしっかりしたものでした。若い頃よりもテンポが遅くなっているようですが、自分には好みのテンポです。

(デジタルカメラによりTV画面を撮影)
 
 その若い頃の演奏というのは、1981年12月3日にミュンヘンのヘラクレスザールでバイエルン放送交響楽団を振った第7番(FM放送をエアチェック)ですが、この演奏で教えられたことがあります。
 それは第一楽章第二主題の中程、79小節のオーボエが良く聞こえたことでした。(楽譜に赤で示した部分:音楽之友社刊ノヴァーク版ミニスコアから引用)


 それまで聴いていたベーム/ベルリンフィル(1977/3/24、ベルリンフィルハーモニーザール)や、ベーム/ウィーンフィル(1977/8/17、ザルツブルグ音楽祭)の演奏ではオーボエがほとんど聞こえません。
 クラリネットやホルン、あるいは低弦の音量とのバランスで、これは勿論録音やFM放送ということもあり、生で聴いていればまた違って聞こえるのかも知れませが、自分にとっては録音されたものが唯一なので...
 ハイティンクの演奏を聴いて、このオーボエの♪ラーファミという旋律が明瞭に聞こえ、その後に続く、第二ヴァイオリン~第一ヴァイオリンと受け継がれる物悲しい旋律の導火線になっていると感じ、大いに感激した次第です。

 その後、沢山の7番の演奏を聴きましたが、いつもこの部分に注目しています。注目すると良く聞こえるようになりますね。
 今回の演奏でもオーボエが明瞭に聞こえました。この部分を聴くと人生の悲哀のような物を感じ、目頭が熱くなります。
 
 比較のためにこれらの音源をデジタル化したものもあるのですが、gooブログには残念ながら音声をアップ出来ません。
 自分のHPあるいはYoutubeにアップしてリンクする方法もあるようですが、面倒で今すぐには出来ず、取り敢えず断念しました。
 


 

 

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