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父と息子

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 7月10日(日)夜、NHKTVで初めて父親の指揮する姿を見ました。
 父親の名前はネーメ・ヤルヴィ(Neeme Järvi)です。
 そう、息子の名前は現在N響首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィ(Paavo Järvi)です。

 以前、拙ブログの記事「またまた5番」で、ブルックナーの交響曲第5番の演奏時間を比較しましたが、原典版で一番早かったのがネーメ・ヤルヴィの演奏でした。
 そんな訳で、以前からどんな指揮者なのか興味があって、CDでしか聴いたことが無かった指揮者の生の演奏(と言っても実況録画)を今回初めて聴いた(見た)次第です。

 演奏された曲は、
  カリンニコフ 交響曲第1番 ト短調
  ベートーヴェン 交響曲第6番 ヘ長調 作品68「田園」
の2曲でした。

 ベートーヴェンの交響曲第6番、若かりし頃は退屈な曲だと思っていてほとんど聞きませんでした。ベートーヴェンの9曲の交響曲で順位を付けるとすると、自分の中ではいつも最下位でした。(;^ー^A
 でも、今は違います。
 歳を取ってからは、ベートーヴェンの第6番やブラームスの第2番(この曲も昔は4曲の中で最下位でした)を好んで聞くようになりました。
 3歳の孫はセロ弾きのゴーシュのアニメが好きで、第6番をかけると「ゴーシュの音楽」と言っています。(笑)

 閑話休題

 番組の冒頭でネーメはインタビューに答えて、
 ・伝統的なテンポでの演奏
 ・テンポの緩急よりも、良い演奏をすることが重要
 ・私のテンポはその時によって違う、早かったり遅かったりは脈拍次第...
と言うようなことを言っていました。

 とすると、あのブルックナーの快速特急は余程脈拍が速かったときに録音されたものなのか...
 テンポの緩急は演奏の善し悪しに大きく関係すると思いますが、「良い演奏」の意味するところとは何なのか...
などの突っ込みは、まぁ止めといて...

 ベートーヴェンの第6番を指揮するネーメ。(TV画面をデジタルカメラで撮影)


 カリンニコフの交響曲第1番は初めて聞いた曲なので、何とも書きようがありません。
 で、ベートーヴェンの第6番ですが、至ってオーソドックスな演奏でした。あのブルックナーの第5番のような特急列車ではありません。
 演奏時間は40分少しで標準的、聞いていても拙速な感じはなく、ゆったりとした良い演奏だったと思います。

 昔は自分の中で第6番が最下位だったため、CDはおろか、FMをエアチェックした中にもほとんど第6番がありません。(演奏される機会も少ないのかも知れませんが...)
 聴き比べる対象が少ない中で、以前にM.ヤンソンスがバイエルン放送交響楽団とベートーヴェンの交響曲全曲演奏を行ったときのものが有りましたので、これと聴き比べてみました。
 その結果、演奏時間自体はネーメの方が少し短いのですが、聞いているときのテンポ感覚はヤンソンスの方が速く感じます。不思議なものですね。


 一方、息子の方は主席指揮者ですから、最近頻繁にN響の定期に登場していて、年末にはベートーヴェンの第9番、今年になってブルックナーの第5番が少し前にFMでは実況中継、TVでも録画が放映されていたので、見たり聴いたりしました。
 歳の差を差し引いても、父と息子は顔立ちも違えば音楽も大分印象が違いますね。

 そもそもN響の並べ方からして違います。父は20世紀型で、向かって左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラの順で、コントラバスが右奥という配置でした。(TV画面をデジタルカメラで撮影)


 一方、息子の方はN響の配置を対向型としています。
 向かって左に第一ヴァイオリン、右に第二ヴァイオリン、正面右がヴィオラ、左がチェロ、コントラバスは左奥です。(TV画面をデジタルカメラで撮影)


 ちなみに、比較したヤンソンスも対向型でした。
 最近はブロムシュテットとかティーレマンとか、対向型にする人も多いですね。
 いつも書きますが、オーケストラの配置は対向型の方が面白く、好みです。

 さて、お父さんの方は17日(日)にもN響を振った演奏(シューベルトの未完成など)が放映されるようなので、また見てみたいと思います。

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